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【実体験】Fast Lane(ビジネス・トラック)でシンガポールから韓国に出張!

日本へのビジネス・トラックでの出張に続き、先月(2020年11月)にシンガポールから韓国・ソウルへビジネス・トラックを使って出張に行ってきました。感想は以下の通り。

  • 日本へのビジネス・トラックと比べ、書類審査はより厳格=申請手続に約3週間かかる
  • 現地受け入れ先企業に隔離免除手続きの書類を担当省庁(私の場合は中小ベンチャー企業省)に提出、説明が必要
  • 担当省庁で了承後、外務省からシンガポールの韓国大使館の対し宛てに書類が送られる
  • 大使の了承後、メールにて送られてきた許可証を予約した指定期日に韓国大使館へ行き、ハンコを押して貰う
  • シンガポールでの出国前PCR検査の後、韓国到着後にもPCR検査あり
  • 韓国でのPCR検査は政府指定のホテルに空港から連れて行かれて行う
  • 検査結果の待ち時間は半日くらい。私の場合は夕方着便だったので一泊
  • 空港から政府指定ホテルまでの移動、検査、検査待ちの間の宿泊費用は無料
  • 到着してから滞在中は公共の交通機関の使用不可
  • ホテル滞在時は特にレストランやジムなどの使用に制限なし

申請手続

申請に必要な書類は以下の通り。

  • 隔離免除申請(Quarantine Exemption Application)=英語と韓国語の両方 
  • 会社の登記簿のコピー(シンガポールの会社と現地スポンサー会社)
  • 韓国でのビジネスを証明する書類(私の場合は契約書とプロジェクト提案書を使いました)
  • パスポートのコピー
  • 航空券、ホテルの予約確認書
  • 韓国へのビザ(私はABTC(APECカード)があったのでそのコピー)
隔離免除申請(Quarantine Exemption Application)

これらを現地スポンサー会社を通して私の場合は中小ベンチャー企業省に提出しました。現地の担当者に何回か省庁から問い合わせの連絡があった後に無事に許可がおりました。記載事項に特に問題がなければ、会社の大小、取引額等は審査には関係ないみたいです。このプロセスがおよそ1週間ちょっとです。

韓国での申請、許可を経て、シンガポールの韓国大使館に韓国でのおりた許可証をメールにて転送します。大使館は本国の外務省と確認が取れ次第、シンガポールの大使の許可を仰ぎます。このプロセスが約1週間ほどです。

シンガポールの韓国大使館から大使の許可がおりた旨の連絡をメールにてもらうと、必要書類をもって韓国大使館に出向きます。必要な書類は以下の通り。

  • 隔離免除の許可書(三部)
  • パスポートのコピー
  • ICのコピー
  • 航空券、ホテルの予約確認書
  • 韓国へのビザ(私はABTC(APECカード)があったのでそのコピー)
隔離免除のレター

10分程で隔離免除の書類とレターをもらいます。1枚は空港での検疫官、1枚は入国管理官、1枚は自分での携帯用となります。

出国前PCR検査

前回の日本出張前と同じく、政府指定のクリニックをネットで予約、PCR検査を出発72時間以内に受けなければいけません。私は前回と同じくAcuMedグループのジュロンのあたりにあるTamanクリニックに行ってきました。AcuMedグループを選んだ理由は単に一番安い(SGD179)という理由です。あと、予約も結構簡単に取れました。

検査の予約をする際には大使館からのレターが必要とサイトには書いてありますが、事前に予約する時にまだレターが発行されていなければ、メールでの許可をPDFにして添付すれば大丈夫です。

検査を受ける際に必要な書類は以下の通り。

  • パスポート
  • IC
  • 航空券、ホテルの予約確認書=印刷して持っていくと手続がかなり楽です。
  • 大使館発行のFast Laneでの渡航許可のレター

クリニックでは毎回、予約で時間を指定しているにも関わらず大体1時間は待たされます。検査はクリニック外で行います。

この中で検査。3分ほど。

シンガポール出国

シンガポール出国はいたって普通です。通常通り、パスポート、ビジネス・トラックでの渡航許可のレターをチェックインの際に見せて終わりです。

空港内は相変わらずガラガラです。

今回はシンガポール航空のラウンジを使えたので行ってきました。

店もまだほとんどが閉まっています

ラウンジはビュッフェがなくなり、テーブルにあるQRコードをスマホで読み込んでオンラインで注文でした。

日本の時と同じく、搭乗時にいろいろと追加の入国書類を渡されます。搭乗率は20%ほどでした。

ガラガラです・・・

ソウルに到着

ここからが未知の状況。ファイルにして準備していた書類をもって書類審査の場所へ。ここで驚いたのが書類審査の際に、検査官の人が既に私の申請書類の情報などの持っていたこと。書類をチェックする時にも、申請時に登録した韓国の方の電話にその場で連絡して本人確認と私の到着のやり取りをします。

要注意!空港税関から入国時に受け入れ先担当者に電話連絡をします。

私は今回は日曜日の午後にソウルに到着したのですが、登録していた人が私の親しい自営業の人だったので問題なく連絡がとれて事なきを得るでした。企業の出張で行かれる方は週末到着の場合、受け入れ先企業の方が必ず税関からの電話を到着時に取れることを確認することが必要です。

入国の人は30人もいなかったのですが、書類審査、入国審査のプロセスは1時間ほどかかりました。

空港から政府指定のホテルへ移動

一連の書類審査を終えて預け荷物を引き取ると、海外からの入国者は一箇所に集められて政府指定のホテルへ移動するためのバス待ちとなります。30分ほど待ちました。

ただひたすら待ちます

30分ほどなんの指示もないままただ待ちます。すると防護服を着た人が迎えに来て、待っている人全員で別の場所に移動となります。この時点でどこに行くのかも何も言われません。

みんなでぞろぞろと歩きます
この時点でもどこに行くのかわかりません

何も教えてもらえないまま、防護服を着た警察官にバスまで誘導されます。正直、やや不安でした。これから約1時間半ほどバスでの移動になりました。私の場合は結局Yonginという山の中のサムソンのテーマパークの近くのホテルに連れて行かれました。

ホテルは入り口などを全て建設工事で使われる仮設の壁でおおってあり、ドアが一つ、そこかから防護服の人達にバスからホテルへと誘導されます。

かなり仰々しいです

ホテルではロビーに椅子が並べられており、全員、書類をもってチェックインの順番待ちとなります。チェックイン手続の後、ロビーでPCR検査、部屋に移動となります。検査はロビーにある黄色のテント内で行われます。

おそらく検査をする人は看護師ではなく軍か警察の人っぽく、綿棒を喉と鼻に容赦ない感じに突っ込まれます(笑)。

検査後はお弁当を渡され、部屋への移動なのですが、エレベーターでは一旦上の階に上がると降りることはできず、部屋でPCRの結果が出るまで完全に出れなくなります。

ここで検査です・・・

無事に部屋に入り、お弁当での夕食です。結構なボリュームの焼肉弁当でした。味もかなり良かったです。

チェックイン時の説明で検査が午後6時の場合、翌朝7時には結果がでる、陽性の場合のみ部屋に連絡があるので、陰性であれば朝の7時半にはチェックアウトができる準備をしておくように言われました。配られた紙に書いてあるとおり、ホテルからの退出はコントロールされており、一日に3回のタイミングのみです。朝8時の退出を逃すと次は午後12時となります。

退出も厳しくコントロール

このような形で無事に8時にホテルをチェックアウトし、ソウル市内の予定していたホテルに移動しました。今回、私は現地の方が迎えに来てくれたのでその方の車での移動となりました。ホテルからは無料でソウル市内までバスで送迎を行ってくれます。日本と違いタクシーでの移動は認められているので、そこからはタクシーとなります。

まとめ

前回の日本出張と比べると、手続の煩雑はさは韓国入国の方が大変でした。特に空港到着時に受け入れ先企業への電話連絡は週末到着時には要注意です。それ以外はホテルでの食事も問題なく、清掃、ランドリーも普通に行ってくれました。

ちょうど私がソウルについた前週(2020年11月23日)からコロナ感染の増加にともない、レストランは夜9時までの営業、カフェは持ち帰りのみの営業、学校も一部在宅となりました。同じ頃に日本でも感染が増加してきたのですが、正直、韓国での対策と比べると日本での対策は非常にゆるいと感じざる得ませんでした。

実際、シンガポールからのビジネス・トラック提携国である日本からシンガポールへの入国に際し、速攻でシンガポール政府から2020年の11月17日から帰国後14日間の隔離免除措置を取り下げられてしまいました。これに対し韓国からのシンガポール入国に関しては2020年12月15日現在でもFast Laneでは隔離免除が続いています。おそらくシンガポール政府は韓国政府のコロナ対策に一定の評価をし、継続しているのだと思われます。

今後、日本へのビジネス・トラック再開がいつになるかわかりませんが、早く収まってもとに戻って欲しいところです。

日本にビジネストラックで実際に行ってきたまとめ記事はこちら。

【速報!】シンガポールー日本をビジネストラックで行ってみた(2020年11月)

シンガポールー日本のビジネストラック手続きに関する記事はこちら。

【外務省発表】日本とシンガポールでのビジネストラックが遂に開始!

外資系で一旗あげたいと思ってる人のための、外資で必要な英語の勉強に関する記事はこちら。

【実体験】外資系20年の筆者が語る、外資でのビジネス英語と勉強の話

ビジネス英語に特化したオンラインコース、「ビズメイツ」の記事はこちら。

ビズメイツのレベルチェックは厳しい?外資歴20年の私が徹底解説!

  • この記事を書いた人

ななころ

外資系企業で長年グローバル・マーケティングのトップとして勤務後、東南アジア在住で独立。コモディティ・トレーディングとマーケティング・コンサルティングを行う。趣味は筋トレと料理。

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